大手SIer B社様(仮名)の、大手企業向け営業改革をご一緒させていただいております。
B社様では、大手アカウントに対して複数の営業メンバーがチームを構成し、長年にわたり顧客との関係を築いてきました。
一方で、営業活動は顧客から発生する案件への対応も多く、自社の強みを十分に活かせる案件ばかりではなく、既存案件を中心としたビジネスから、さらに成長していくことが課題となっていました。

そこで、私自身が外資系企業で学び、実践してきたアカウントプランのエッセンスを取り入れ、「顧客を知る」「自社を知る」「競合を知る」、そして戦略を立案し実行する、という活動からスタートしました。
実際の活動を進める中で、POBYCOが当初から重視してきた考え方が、SIerの営業改革において非常に重要であることを改めて確認することになりました。

その根本にあるのが、

「DX時代に顧客が求めているのは、システムの稼働そのものではない。稼働したシステムによって得られる効果である」

という考え方です。

従来のSIerビジネスでは、顧客の要件を捉え、システムを提案・開発し、確実に稼働させることが大きな役割でした。しかしDXでは、システムの稼働はゴールではありません。顧客にとって重要なのは、そのシステムを活用することで、業務がどう変わり、事業にどのような成果が生まれるのかということです。
そう考えると、営業活動も「顧客が何を導入しようとしているのか」を捉えるだけでは十分ではありません。「顧客は何を実現しようとしているのか」「どのようなBenefitを得ようとしているのか」を理解し、その実現に向けて自社が何を提供できるのかを考える必要があります。

そして今回の実践を通じて、もう一つ当初から持っていた仮説も、より強い確信に変わりました。

外資系企業で広く実践されてきた、新たな案件創出を重視する「ハンター型」のアカウントプランを、SIerにそのまま適用するだけでは十分ではない。

SIerは、システムを提案して終わるビジネスではありません。開発・導入したシステムの安定稼働から活用、その先にある顧客の事業成果まで、長期にわたって顧客と関わっていくビジネスです。
だからこそ、新たな案件を創出するハンター型の活動に加えて、既存システムや既存の顧客関係を基盤に、顧客が求めるBenefitを継続的に生み出していく「ファーマー型」の視点をアカウントプランに組み込むことが重要だと考えています。
顧客の成果を継続的に支援することが顧客との信頼関係を強くし、その結果として新たな相談や案件が生まれ、自社のビジネスも成長する。

今回の実践を通じて、この「顧客成果」と「自社の成長」を循環させることこそが、SIerにおけるアカウントプランの重要な役割であるという事を改めて認識いたしました。
こうした考え方を実践の中で磨き、POBYCOではCustomer Success / Customer Valueを組み込んだ CVAS(Customer Value Account Strategy) として体系化を進めています。

CVASは、アカウントプランを作成すること自体を目的とするものではありません。
顧客の目指す成果を起点に、顧客との関係、顧客へのBenefit、自社の強み、競合環境を捉え、具体的な活動へと落とし込み、実行していく。そのプロセス全体を通じて、顧客との関係と自社のビジネスをともに成長させていくことを目指しています。

今回、こうした取り組みについて、B社様のコンサルティング本部長様からコメントをいただくことができました。
お客様と一緒に実践し、試行錯誤しながら磨いてきた活動だからこそ、このような評価をいただけたことを大変うれしく思うと同時に、POBYCOが進めている方向性への大きな自信にもなりました。

B社様の事例とお客様のコメントはこちらからご覧いただけます。
https://www.pobyco.jp/?p=131